小粋なガジェットで書いてしまったのだが、より具体的に書けば、私はキーボードのついた携帯端末が好きらしい。もちろん、ことの発端はHP-200LXであることはいうまでもない。
HP-200LXとの出会いは2人の知り合いからこれを見せられたからに違いない。私は当時大学3年ぐらいだったと思うのだが、久しく会っていなかった高校時代の友人にHP-100LXを見せられた。そして、数週間のうちに、今度はバイト先の知り合いがHP-200LXを見せてくれた。電池で動く、そしてDOSが動くというのに感激して購入に走ったのだが、HP-200LXの良さはそれに限らなかった。それは、キーボードつきの小型端末のある完成された形であったからだ。
HP-200LXは両手の親指を使って小さなキーボードをプチプチ押して入力するというスタイルなのだが、これが慣れると異様に効率良く入力できる。HP-200LXのキーボードは秀逸で、押した感覚、そしてキーの間隔から、誤入力もほとんどない。とにかく素晴らしい出来なのである。
しかし、時代は進むとPalmの登場と共にペン入力へと主流は移っていった。しかし、私はキーボード入力こそあるべき姿だと思い、鴈にPalmの購入を拒んでいた。
その後もキーボードがついたPDAが出るとついつい欲しくなって買ってしまうことを繰り返しながらも、満足行くものは未だに見つかっていない。
HP-200LXが良かった理由にその大きさがある。実はあの筐体はポケットに入れるにはちょっと大きいのであるが(でもポケットに入れていたこともあった)、キー入力にはそれぐらいの広さが必要だったのかもしれない。それに比べると以降の機種は本体がより小さくなっているので、キー配置に微妙に無理があったのかもしれない。
一時はキーボードつき携帯端末は死に絶えたかに思えた。しかし、折りたたみ携帯電話と携帯メールの爆発的普及で、急激によみがえったといってもいいのではないかと思う。携帯電話にペン入力しようという人はあまりいないはずだ。
携帯電話はいつのまにか主に携帯メール端末と化している。文字入力インターフェースのデザインは今ひとつにも関わらずほとんどの人がうまく適応していることを考えるとそれほど悪くないのかもしれない。しかし、操作方法の基本は本体を持ち、親指でキーを押すというもの。つまり、これはキーボードつきPDAの入力方法と同じではないか!
親指で操作するのが正しいのではないかというのは、ファミコンの十字キーに遡るといってもいい。親指による入力はそれほど負担が大きくないようなのだ。携帯電話は片手で入力できるところに勝因がある。つり革に捉まりつつ操作が出来るデバイスというのはそれほどあるものではないのだ。
こう考えると、PDAも携帯電話のようになっていくように思えるし、携帯と融合していく方向が生き残りの道のような気もするのだが、と書いたがやっぱり、そう思えてきた。確かに両手をふさがれてしまうというのは問題なのだ。道端で両手を塞がれると、少々危険を感じるのだ。別に轢かれたり、襲われたりするわけではないのだが、両手を塞いで使うという体勢が不安定な感じがする。(反例もあって、ゲームボーイはどうなんだろう?とも言える)
ペン入力もこの不安定さという観点から見るとかなり調子が悪い。ペンを持つ以上、反対の手で本体を持たざるをえないから、結果両手がふさがることは避けられない。しがたってこれも同じ不安定さを作り出す。そもそもペンで字を書くときには基本は紙は机の上であって、メモ帳を手に持ってメモを取るというのは一時的な作業のためであって、長時間の作業には耐えない。
ここに来て、PDAもキーボードつきのものがまた増えてきた。PalmもTungstenシリーズではキーボードを搭載してきたし、Treoシリーズのキーボードも結構使いやすそうだ。また昨年登場したLinux Zaurus SL-Cシリーズは、購入欲を激しくそそる。また、ソニーの横型CLIE PEG-UX50も形状的には買いであるが、アメリカに住んでいることもあって、実機を見る機会が少なく1台ずつ確保する衝動は今のところ抑えられている。
このキーボードつき小型端末が欲しい熱は、10年の時を経て、なおおさまることを知らない。