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静かなPC
静かなPCは今でこそトレンドの1つになったが、静穏PCなる言葉が出てくる前からのこだわりである。が、最近そのこだわりも落ち着いてきた。

静かなPCが良いと思うようになったのには訳がある。PC-UNIXが普及しはじめたころ、古いPCの部品でもう1台作り自宅に置くサーバー機にしようと考えた。サーバー機を作ること自体まったく困難はなかったのだが、サーバーはいつも動いていてくれなければ困る。が、自分の部屋にあるPCを動かしっぱなしにすると、夜眠ろうとした時には特にうるさく感じた。その騒音の大きさは、寝る時にPCを止めざる終えなくなり、使うたびにサーバーの電源を入れるハメになった。結局はこれが原因でサーバー機はあまり活用されないままになってしまった。

東京で24時間PCを動かしっぱなしにするのはなかなか難しい。物理的に別の部屋に置くでもしない限りは騒音からは開放されることは難しく、若者の場合にはワンルームだったりもするので、さらにハードルは高くなる。

24時間運転を実現するには騒音を物理的に遮断するか、騒音を発生しにくくするしかない。そこで、後者、つまり静かなPCを考えることになる。静穏化は基本的にはファンの数を減らし、回転数を落とすことが手段である。静かそうな電源があれば買い、大型のCPU用ヒートシンクなどもいくつも買ってみた。

今までの経験上、静かだと書かれているものも期待はずれのことが多いのだが、ファンを大口径にし、ゆっくりまわすことがうまく音を抑える基本だと思っている。結局、CPUファンはダンボールでダクトを作り12cmのファンをはめ込んだりした。また、ZalmanのヒートシンクやCPUファンはなかなかよく、同社の製品も良く買っていた。

しかし、1,2年前からマシンの高機能化に伴い、発熱量が大幅に多くなった。今までCPUにだけだったファンが、ビデオカードのチップにまでつくようになった。しかも、ビデオカードのファンは口径が小さく、品質も悪いため高音のノイズを撒き散らす。またCPUもちゃんとした冷却を行わなければCPU自体を破損するようなところまで来てしまった。静音化とは程遠いところに世の中は向かってきていたのだった。それなりに速いマシンは欲しいし、ある程度のビデオカードも必要だといった要求がある場面で、静音化は諦めざる終えなかった。

ところが今はアメリカに住んでいることもあり、寝ている枕もとにマシンを置く必要もなくなった。また無線LANの普及で、家の中でマシンを置く場所にも制約が低くなり、家庭内で最大の騒音を撒き散らす冷蔵庫のそばにマシンを置いてしまえばPCの騒音はそれほど問題でもなくなってしまった。そして、最近買った安くて静かな電源と、マシン内に配置した低速12cmファンでZalmanの扇形ヒートシンクに風を流し込んだサーバー機は、冷蔵庫のそばにあればほぼ騒音は無視できるレベルとなってしまった。それほど頑張らなくても充分な効果が得られてしまったというわけだ。

とはいえ、いまだに静かなPCは好きなことは否定できない。VIAのC3系のCPUはいつも気になっているし、完全無音PCへの憧れは今でもある。ACアダプタで電源をとって、ファンレスPCを作ってみたい気がするのだが、最近のPCの低価格化を考えると、無音PCは性能の割には随分高くなってしまいなかなか踏み切れない。また、ここ最近登場しつつある水冷については、どうも熱くなれない。コストが掛かりすぎてなんだかばかばかしい。このように少々冷めた目で最近の静音PCムーブメントを眺めているのであった。冷めた目で見ていれば熱くならないしね。


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