遠い海 
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短編ではないが、すっきりとまとまった短い作品で200ページ弱の文庫本。

「遠い海」というタイトルがこの作品のすべてを語る。登場人物は会社社長の幹史三郎、その妻の波子、幹の昔の友人円藤、そして若い画家の英子で、ほぼ話はこの4人だけで進行する。絡み合った彼らの間の関係が1つの決断で解けていく。その締めくくり方といい、簡潔は物語のストーリーといい、あらかじめ構想が練られた後に書かれたように思える。

またこの物語は会話のやり取りが多い。2人の人間の言葉が交互に、そして短く繰り返されるのも特徴的である。

井上靖の代表作の「しろばんば」などは、少年を主人公にする自伝的な物語であり、それに似た作風の作品が何点かある。それと比較すると、この作品は受ける印象がかなり違う。

まとまっていてさらりと読める作品である。

2003/08/03

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