自民党ナンバー2の研究 
top

浅川博忠

「自民党ナンバー2」という何とも言えない響き。表舞台に立たないけれど、実は陰で糸を引いている事実上の支配者のよう。しかし、この本を読んでみると、どちらかといえば、いざという一世一代の大舞台でヘマを踏んだ政治家列伝のような様相を見せている。

自民党を割って出た、あるいは乱を起こそうとしてしくじった政治家。これからというときに健康不安によってチャンスまで手が届かなかった者。党内でのライバルとの抗争に破れたもの。この本に取り上げられている30人の自民党議員の多くの失敗の物語だ。

いわゆる「政界のドン」となり、裏で糸を引くというのはここでいうナンバー2とは違う力量が必要だ。一度は総理大臣となり表舞台での頂点に登った後に、院政を行うことができれば、それこそ真の政界の黒幕となれる。

ナンバー2は、自民党幹事長あるいは官房長官クラスのポストを頂点に消えて行くことが多い。首相になった政治家を見て、なぜこの人がと思う事も多いけれど、少なくとも後一歩で首相になれるところまでは辿り着き、あとは運の良さで首相になっているのだろう。それに対してナンバー2の政治家は、そういう幸運に恵まれないだけに、世の中の無情さを噛み締めるのだろう。

「自民党・ナンバー2の研究」 浅川博忠 講談社文庫 2002年7月15日第1刷発行

(2009/02/04)

関連ページ 「情と理 後藤田正晴回顧録」 この本でも取り上げられている後藤田正晴氏について

imported