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老妓抄
老妓抄
岡本かの子

これは多分ネットで誰かが褒めていたので買った本なのだが、いい収穫だった。

作者岡本かの子は50歳と早く亡くなったためか作品が少なく、それほど著名でもないけれど(今まで知らなかった)、とてもいい作家だと思う。

文章は重厚で、ぎっしり詰まった感じがある。人間を見る目や登場人物に持たせる性格に何か執着心のようなものを共通して感じる。明治の終わりから大正時代、戦争の色の出てくる前の日本を感じさせる作品が何編もある。

あとがきでの評価は高くないのだが、最後の「食魔」がその人間の執着を描いていてい一番面白かった。主人公の数少ない友の一人が癌の痛みにもがき苦しむのだか描写は並の感覚で書けるものではない。

ぜひまた読み返したいし、岡本かの子の他の作品も読んでみたい。文句なしにオススメできる一冊だ。
(2008/02/18)

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