真夏の犬 
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「真夏の犬」をはじめとする宮本輝の短編集。9編が収められている。

読み始めた当初、その前に読んでいた東野圭吾のものと勘違いして読んでいたのだが、最初の「真夏の犬」で「おや、おかしいな」と気づいた。東野圭吾のものに比べて残酷なのだ。ただその残酷さは、眼を覆うばかりのものではなく、生きるために必要なところから生まれてきている。

この短編集の作品はその多くが大阪を舞台にしている。大阪のあまり裕福ではない地域の少年や、そこに生活する人が数多く登場する。そこに生きる人たちの人間味ある行動が描かれているので、初期の川三部作に近いスタイルだ。

一番気に入ったのは「駅」という作品で、能登半島のある無人駅が舞台となっている。毎年ここを訪れるという男と、たまたまその男に出会った主人公。一読の価値があると思う。

2003/7/16

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