百万ドルをとり返せ!
この「百万ドルをとり返せ!」(原題: Not a penny more, not a penny less)はジェフリー・アーチャーのデビュー作らしい。この物語のネタになっていると思えるのだが、彼は100万ドルの株式投資でほぼ無一文になる経験をし、この小説を書くに至った。
ジェフリー・アーチャーはイギリスの国会議員になっていたことは知っていたのだが、有名作家が議員になったのだと思っていたが、実はその逆、国会議員がこの作品を書き、それの契機にベストセラー作家となったのだ。これには驚いた。
ジェフリー・アーチャーらしいテンポの良さ、登場人物の性格付けがハッキリしている点はデビュー作の時点で完成されていたといってもいいと思う。百万ドルの損害を被った4人の主人公たちが協力して、4つの作戦を通じて百万ドルを取り返すのだ。読み始めてほとんど止まることなく一気に読み終えてしまうほどのめり込んでしまった。
脇役として登場するモデルのアンに、4人の登場人物の1人が熱を上げてしまうのだが、これが物語の伏線になっていることは明白。彼がきっとヘマをするだろうと思いつつ、読み進めて行くと案の定、どんでん返しがやってくる。しかし、その展開は読みを完全に裏切っていたのには脱帽だ。物語の顛末はぜひ読んで確かめてみてほしい。
なかなか楽しめる作品だと思うけれど、「ケインとアベル」ようのな壮大さはなく、ちょっと話がうまく行き過ぎるところが残念なところ。作品の評価としては、まあまあ良く、5段階中4点としよう。ちょっとした時間つぶしに、たとえば旅のお伴にぴったりの一冊だ。
(2009/02/08)
