父・こんなこと
幸田文の手記で、「父」は父である幸田露伴の看病の手記であり、「こんなこと」も幸田露伴のエピソードが主である。
幸田露伴が父であることは以前読んだ本で知っていたが、幸田文にとって非常に大きな存在だったことがうかがい知れる。のちの幸田文の文章の片鱗が見られるのは確かだが、やや気負いすぎのきらいがあり、その肩肘張った感が、読んでいてあまりいい心地がしない。僕が一番だと思うエッセイ「木」はかなり歳がいってから書かれたものなのだが、年齢を重ねた結果、その観察眼に優しさが生まれたのだと思う。
この作品で、幸田文は一躍有名になったようだが、個人的にはあまり好きなタイプの読み物ではなかった。
(2004/10/18)
