灰色の月・万暦赤絵 
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志賀直哉のエッセイ集。読んで面白かったかと言われれば、それほど面白さは感じないものの、色々思うところはあった。文章は簡潔。自分の経験した事を何も飾らずに淡々と書いている。余分なものを感じさせない。強いメッセージ性もない。同じ日本語を使っていても、作者によってこれほどに違ったリズムや印象を受けるものだと実感した。彼の文章には流れるような日本語という印象はあまりない。きちっきちっと要所を押さえた折り目の正しい文章だ。塵一つ落ちていない木造建築、装飾はないけれど美しいミニマリストの建物のようだ。

もう一つ気づいたことは、志賀直哉の動物が好きだ。彼の書き物には生き物の観察が目立つ。いなくなった飼い犬をあきらめかけていた時に、市電の窓から偶然に姿を見て感動の再会を果たす話なども収録されている。

そんなことを思いつつも、正直面白くはないなというのが印象だ。 (2009/02/15)

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