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流転の海
書店の文庫本のセクションで宮本輝の作品を眺めているとかならず目にとまるのが「流転の海」の連作だ。これは絶対に読まねばと思っていたので、ようやく読めて嬉しい。

舞台は終戦直後の大阪。誰もが裸一貫から立ち上がろうとしているところに戦前実業家として名を為した松坂熊吾は、再起を図る。しかし、一度栄華を極めた人間の再起の理由が面白い。ちょうど生まれた長男が成人するまで戦うのだ。

松坂はしたたかである。そして豪腕といってもいいのだろう。しかし、情に厚いところもある。彼の周りに現れる人物との関係はどれも深さを持っている。また松坂の女性関係も、日本の昔の男を見るようで派手かつ豪快である。

非常に面白く読め、第2部以降が気になる作品だ。

(2009/01/31 ぐらい)

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