2002/9頃
いつものように幸田文も高校の課題図書で「おとうと」を読んでいたため名前は知っていたということで改めて読んでみることにした。今回選んだ「木」はエッセイ集であった。
幸田文は幸田露伴の娘だということをこれを読んではじめて知る。情けないが幸田露伴が明治時代の人で何かで有名だということ程度しか知らないが。
そういう家庭環境のせいかこの幸田文の文章には育ちの良さを感じさせるものがある。このエッセイ集は彼女が日本全国の木を見て回って書いたものをまとめたものであるが、その木に対する観察眼や愛情が流れるような美しい日本語で綴られている。今まで女性作家の作品を読むと、自分とは違う性別の人が書いているというのがどこか引っかかったのだが、この人の文章はそれをあまり感じさせなかった。
一言で言えば「文章がうまい」というのがこの本を読んでの感想なのだが、今まで一番好きだった谷崎潤一郎よりも文章の流れる度合いで上だと思う。そして文章を読んだだけで、幸田文さんに惚れてしまった。残念ながら1990年にお亡くなりになっているのだが、お婆さんになった幸田文さんが書かれたこの本を読んでいて、一目惚れしてしまうほどの魅力なのである。今、「一番好きな作家は?」と聴かれたら幸田文さんと答えるだろう。
と書いたが小説「
流れる」を読み、エッセイは最高だが、小説となると1番とは言い難くなってしまった。また別の作品を読んでみないと判断しにくい。(2002/12)
さらに「
細雪」で谷崎潤一郎の評価が再度アップしたので一番とはいえない(2003/5)
次は改めて「おとうと」を読むか、他の作品を読んでみたいと思う。古本屋でたまたま買った本だったが大当たりであった。幸せだ。
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