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戦争童話集
太平洋戦争の敗戦の日、8月15日を題材に書かれた童話集。野坂昭如氏はテレビの論客として登場することで知ってはいたが、こちらが本職だ。

どのストーリーも、戦争が生む悲しさを描いたものだ。そして、これはその戦争を体験した者にしか書けないものだと感じた。

戦争を題材にした文学には色々あるのだが、それぞれの作者が経験した戦争というものが描かれているので、実はそれぞれの作者によって捕らえ方がまったく違う。戦争を兵士として経験したもの、戦争を政治家として関わったもの、そして野坂氏の場合は子供時代を戦争の中体験したのである。

それぞれの人にはそれぞれが体験したことしか書けないし、戦争を体験していないものには真に伝わるものは書けないだろう。そして、戦争に勝った国の人々にとって、同じ戦争はまったく違うものを残すのであろう。

「終戦」のイメージは、戦争がようやく終わり、戦後復興の第一歩というものであった。しかし、この作品のどの短編を見ても、戦争が終わったというのは、今まで歯を食いしばって耐えてきたものがもう力つきてしまった、もう何もなくなってしまったというものだった。実際に簡単に復興が始まるというのは間違いだろう。疲れ果てた虚脱感というものがしばらく続いたはずだ。そこからどう日本人が立ち直ったのか、それに興味を感じた。

(2006/10)

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