彗星物語 
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デミアン」で完全に読書のペースを壊してしまったため、しばらく本を読んでいなかったのだが、日本に帰国した時に古本屋でまた沢山本を仕入れてきた。

リハビリを兼ねて読みやすい本から始めようということで読んだのがこの本、「彗星物語」。

この小説は、城田家一家に、ボラーシュというハンガリー人の留学生がやってきている間の出来事をつづった物語である。一見ボラージュが主人公となって日本の家庭に外国人が住み込みで暮らすという話になるのかと思わせつつ、実はそれを取り巻く城田家の家族も、それぞれが物語を支える重要な人物になっている。

とりたてて、深刻なテーマを1つだけ扱っているわけではないので、読んでみるとNHKの朝の連続ドラマを見ているかのような印象を受けるのだが、それらに比べれば脚本の出来は一枚上手だと思う。読んでいて楽しい。一番小さい恭太の成長や、じいさんの福造のキャラクターなど見所は沢山ある。

ところで、宮本輝作品にはよくハンガリーが登場する。「ドナウの旅人」は旅の中盤にハンガリーを舞台としているし、「葡萄と郷愁」の半分もハンガリーが舞台だ。東欧の国の中では、何となく親近感のある国ではあるのに、実はあまり何も知られていないことから、エキゾチックな印象を持つのだが、宮本輝もそんなところに惹かれたのだろうか。

上下2巻に渡っているが非常に読みやすいので、それぞれ1日あれば難なく読める。普通に面白いが、宮本輝作品にはもっと面白いものがあるので、そちらを先に読むと良いかと思う。 (2004/02/13)

彗星物語(上)(下) 宮本輝 角川文庫 470円/470円 一覧に戻る</a>

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