幕末
竜馬がゆくとほぼ同時期に書かれた幕末の人物をテーマにした短編集。司馬遼太郎好きには安心して読める品質だ。
幕末の人物のうち、歴史小説の主人公を張れるほとではないが、面白みのある人物を一人一人取り上げていく。毎回の場面のセットアップに少々文章が取られてしまうが、どの人物も司馬遼太郎の頭の中で、彼が見て来たかのように活き活きと動いている。
幕末・明治維新は日本に置ける歴史の大転換点であり、ここでの出来事が明治時代、そして太平洋戦争への道のりを決定づけた。乱世に倒れるもの多数。運なのか、実力なのか、明治に生き延びるものもいるが、戦国時代に比べても激動の時代であったと思う。
面白い反面、やはり人物の度量不足もあり、「竜馬がゆく」の方が面白いのは仕方が無いところ。しかし司馬遼太郎ファンなら読んでも損はしない。
(2007/07/19)
幕末 司馬遼太郎