女坂
円地文子(えんちふみこ)による小説。出版されたのは昭和36年。
有力官僚白川行友の妻となった倫(とも)の半生を描いた作品である。行友は女癖が悪く、妾を次々に作り、そして長男の嫁にまで手を出してしまう。そんな中を家を守るために自分を殺して尽くす倫を淡々と描いている。
テーマは現代とは離れているので共感するものは少ないが、文章としては非常に美しい感じがした。文章は簡潔であり、書き手の視点は倫の視点で一貫している。その成果、淡々としたテンポの中に、流れるような美しさを感じた。
スタイルとしては谷崎潤一郎に近い感じで、同じような題材をより女性的な視点で書くと、この作品のようになるのかなと思った。
意外な名作といえよう。読んだことがなければお勧めしたい。
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2003/08/25
