嘘をもうひとつだけ 
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嘘をもうひとつだけ 東野圭吾 講談社文庫

東野圭吾の最新刊(とはいっても文庫でだが)らしい。1999年に「小説現代」などに発表された短編が5作収められている。

いつものように短編集を長編と勘違いして読み始めたのだが、犯人が追い詰められるスピードがあまりに早かったので流石に今回はすぐに気づいた。長編はなかなか良かった印象があるのだが、短編ということもありインパクトはさほどなかった。軽い読み物としての推理小説としては悪くない。

いくつか興味をもったことがある。1つはこの本では、どれも刑事が沈着冷静で、詰め将棋をやるかのように一手一手犯人を追い詰めていくことである。警察の現場検証や聞き込みによって得られた情報や、容疑者に対する質問への受け答えの様子を見たりと、ありとあらゆる手段で犯人を追い詰めていく刑事は逆に憎たらしく思えてしまう。なんとか逃げ切らせたいと思わせてしまう。ちなみにどの作品も視点は犯人側だ。

もうひとつ興味を持ったのは、犯罪捜査技術だ。髪の毛1本でも残っていればそれが容疑者のものかどうか調べることができる。どんな計画的犯罪でも疑いがもたれたら逃げ切ることはできないのが現状なのだろう。いやはや凄い技術だと感心する反面、犯人がなかなか捕まらない事件も現実には多いのはなぜなのだろう?

2003/06/04

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