優駿 
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愉楽の園」に引き続き宮本輝作品の「優駿」を読みました。

いつだったかに映画化されて、齋藤由貴が競馬場で「オラシオン」と言っていたシーンを思い出したが、その映画自体は見たことがありません。

北海道の静内の小さなトカイファームに生まれた競走馬のオラシオンが成長し、ダービーに至るまでと、それを取り巻く人々の人生ドラマがこの「優駿」という小説の骨格を成します。

上下2巻に分かれており、その上下で物語が切れている感じがします。前半は特によくできていて、中でもジョッキーの奈良にまつわる話は衝撃的な展開を見せ、物語にくぎ付けになります。

トカイファームの牧場主の息子博正と、馬主である久美子の2人の恋はとてもすがすがしい青春ドラマで、久しぶりにこういうものに行き当たった感じがします。

少々残念なのは、後半の人物の掘り下げ方が浅く、ちょっと物足りないまま物語が終わってしまったことです。そこそこのボリュームのある小説であるけれど、もっと一人一人を深く追うことができれば満足できたと思います。また、それだけの余地があるように思えます。

ストーリ全般の流れは最初に想像していたものとは違う展開であった。オラシオンが実はそんなに強い馬になれなかった、みんなの努力にも関わらず期待された結果を出せずに終わったという、そんなドラマの話でも良かったかなと思いました。

映画の話に戻ると、「優駿」に登場する久美子と斉藤由貴のしゃべりはどうしても重ならず、イメージすることができません。イメージをくずさないためには映画は見ない方がいいのだろうなと思いました。

2003/07/01

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