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五郎治殿御始末
明治維新頃をテーマにした短編集。司馬遼太郎以外でこの時期の作品を読むのは久しぶりだったのでなかなかの収穫だった。読み終わってすぐの感想は、これが最後の侍だったのかという感慨だ。明治維新は日本の近代化だけではなく、数百年続いた武士社会の終わりでもある。この本の短編はそういった武士たちが明治の時代にどう生きたかを描いている。司馬遼太郎の「幕末」や「竜馬がゆく」は幕末の動乱を描いているのに対し、この本はその後を描いているのでトーンは大きく違う。

文章を読んだ感じは司馬遼太郎に近い。司馬遼太郎的な言い回しを除き、多少文章として洗練させたような感じだ。描かれている人物への愛情を感じさせる。

特に最後の表題にもなっている「五郎治殿御始末」は出色の出来。買って価値のある1冊だ。

「五郎治殿御始末」(ごろうじどのおしまつ)浅田次郎
中公文庫
(2007/08/04)

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