デミアン
「デミアン」 ヘルマン・ヘッセ 著 高橋健二 訳 新潮文庫
大人になって本を読み始めたきっかけは、実はヘッセの「車輪の下」を書店で手に取ったからだった。しかしながら、私には理不尽な終わり方の暗い話に思え、好きではなかった。それから数年経ち、今度は「デミアン」を見かけた。
LinuxにDebianというディストリビューションがある。これと「デミアン」は似ているし、「デミアン」という言葉自体も耳にしたことがある。久しぶりにヘッセの作品を読んでみようと思った。
しかし、読んではみてが、読み進めるのがなかなかつらく、読み終わるまでに結局1月ほど掛けてしまった。読み終わって振り返ってみれば悪い話ではないのだが、「車輪の下」と同様にどんよりとした暗い空気が流れ、私にとっては苦手な部類の作品だった。
苦手に思う理由は、主人公の心の中の葛藤や思いが作品の大部分を占めているからである。しかも、主人公は子供〜青年のはずなのに、悩む姿、悩む内容は人生の辛さを知りつくした老人のようだ。つまり、主人公の姿を借りてはいるものの、作者ヘッセの心を表現していると感じられて、主人公とそれが一致しない感じがしたからだ。
これで読書のペースを完全に崩してしまった。しばらくは軽い読み物を読むことにしたいと思う。
(2004/01/12)
