スターバックスがここまで成長したことをCEOのシュルツ氏が語ったもの。
起業して成功する話は面白いのだが、逆に疑問を感じる面もあった。 それは株式公開をすることによって、企業は規模を拡大しつづけなければならないことである。規模が大きくなることによって、本来の理念に対して妥協をしてビジネスに徹しないといけないし、そのためには毎年毎年売上を伸ばすことを第一に考えなければならない。
美味しいコーヒーを提供するという理念に基づき行動するのは正しい。しかし、街中をスターバックスで埋め尽くすのが正しいかというとそうは思わない。だが、そうすることによって、マクドナルドのように歩いているうちにスターバックスに行き当たりふらっと入ってしまうし、スターバックスのブランドを刷り込まれた人々は、同じマークのついたアイスクリームでも買っていく。これが実情である。
ブランドの維持と、他分野への展開を上手にやっていけば良いのだろうけれども、それが一過性のブームに終わらないことは難しいことなのだろうなと思った。特に熱しやすく冷めやすい日本市場はそれが難しいのであろう。現に日本では売上のピークは過ぎでしまった。1,2年で東京に100店舗以上出すのはやりすぎだったということになると思うがいかに。
またスターバックスが伸びていく過程で、その企業がどんどん大企業運営の専門家の手に委ねられていくところを見て、それが現実なのだなと感じた。会社を立ち上げる人と会社を大きくしていく人は別なのだ。
この本にはCEOの語るスターバックスの良いの部分しか書かれていないけれども、スターバックスが他の大企業と違うとはあまり思えなかった。むしろ、所謂優良大企業というのはどういうものなのかを見たような気がした。
この本を読み物としてみると、最初の方のスターバックスとの出会いや立ち上げの部分こそ面白いものの、それ以降はスターバックスの宣伝でしかなかった。古本屋で100円だったから買ったものの、定価の1800円は出す価値はないなと思った。特におすすめはしない。
2002/12/23
