コンティキ号探検記 
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コン・ティキ号探検記 ヘイエルダール著 水口志計夫訳

タイトルから、「十五少年漂流記」のような物語を想像していたのだが、読み始めてすぐに驚かされた。これはフィクションではなく、実際の航海の記録であった。

ヘイエルダールは、ポリネシアの人々のルーツが南米にあると考え、その学説を発表したが、誰も信じてくれない。数千年前に筏を使って南米からポリネシアの島々にいけるはずがないと普通は考えるからだ。

彼はその説を自らの試してみることで証明しようとした。昔風の筏を作り、南米からポリネシアの島に向けての航海に出たのであった。食料は大丈夫なのか?原始的な筏で外洋航海なんてできるんだろうか?といった疑問は、彼の実践によって証明されていく。

ヘイエルダールの行動力に完全に脱帽させられた。この人はすごい。冒険家としてみても、十分立派であるが、学者が自分の学説を証明するために航海に出たということを考えれば、実践派の学者と点でそれを上回る。特に印象に残ったのは、実際に航海に出るという行為によって、理論だけでは気づくことのできない発見がいくつもあるということだ。これは考古学だけでなく、科学や工学についても当てはまることだなと思った。「できると思ったら、やってみろ」というところだろうか。

このヘイエルダールは、この後も、ラー号やラー2世号を使って次々にほかの航海も成し遂げていく根っからの実践派である。

この本を読み物と考えると、少々読みにくさはある。実際の出来事を書いているせいか、ドラマチックなイベントはそれほど起こるわけではないし、また描写についてもわかりにくいと思うところは多い。しかしそれを差し引いても、この書物から受ける影響はあまりに大きい。

変な生き方マニュアル本を読むぐらいなら、これを読め。 生き方に影響を与えるという点で、この本はお勧めしたい。

2003/10/01

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