クルーグマン教授の経済入門 ポール・クルーグマン著 山形 浩生訳
久々に書店に行ったので、文庫以外の本も買ってみたくなった。日本の経済運営は難しい、なぜなかなかうまく行かないのだろうと思っていたこともあり、経済書に目がいった。経済書はほとんど読んだことがなかったから、簡単そうなものを読もうと思い選んだ本がこれ。
クルーグマンという名前を聞いたことがあったし、山形氏の名前もネットで見かけたことがある。表紙は最近の本らしく綺麗だ。
読み終えた今考えてみると至極当然なのだが、「クルーグマン教授の経済入門」とはいいつつ、原題は「The Age of Diminished Expectations(期待の消えた時代)」である。確かに真っ当な経済学者本人が邦題のようなタイトルをつけるわけがない。したがって、本書の内容は「経済入門」ではなく、1990年代のアメリカの経済諸問題に対する解説である。ただ、内容は一般人にもわかりやすいレベルで説明されている。
1990年代の話であり、90年代末のネットバブル前ということもあり、今ひとつパッとこないところはある。ネットバブルの問題や、その後の不景気について述べられていないのが少々残念に思えるがそれは仕方がないか。
様々な経済の要素、たとえば為替、成長率、インフレなどを実際の状況に照らし合わせて解説しているので、とても具体的に経済の仕組みが理解できるので、分かりやすく良かったと思う。
さて、問題は翻訳だ。この本の帯には画期的な口語訳というようなことが書いてあったように思う。難しく堅苦しい専門書的訳をしないということに価値はあるのだろうが、この訳書の訳はやりすぎだと思う。平易な言葉で書くのは意味があるが、「つーか、そんなのどーでもいーの」というような訳にすると、逆に分かりにくくなってしまう。
もう1点後悔したことは、これがアメリカ人の著者による書籍だったということだ。随分高いお金を払って買ったものの、実は原著を買えばたったの14ドルだった。果たしてちゃんと読めるかどうかは疑問が残るものの挑戦してみるのも良いはずだ。
今度は日本の経済について書いたものを読んでみようかなと思う。
クルーグマン教授の経済入門 ポール・クルーグマン著 山形 浩生訳 メディアワークス 2200円(amazon.co.jp)
2003/06/11
