お菓子と麦酒
サマセット・モーム
モームの円熟期に書かれた長編(といってもそれほど長くはないが)小説。「劇場」の数年前に書かれたようだ。
本の背表紙にあるあらすじを、本を読み終えたあとに読んでみると、なるほどその通りだと思えるけれど、実際に読んでいた時には一体そういう話なのか?と問いただしてみたくなってしまう。
この物語の中の「現在」は、実際には副題のようなもので、次々に現れる回想部が本題である。そして、「現在」で伝記を書いてくれと頼まれているドリッフィールドという作家についての話も「副」であり、その最初の妻ロウジーを描くところにこの小説の主眼がある。
モームの作品も今まで色々読んだけれど、この作品が一番読みにくかったように思う。それなりに評価の高い作品のようだが、個人的には今一歩のれない作品であった。
(2008/12/19)
「お菓子とビール」 サマセット・モーム 厨川圭子(訳) 角川文庫
